現代短歌社

続 作歌相談室

来嶋靖生

続 作歌相談室

短歌を続けるなかで遭遇するさまざまな悩みに真摯に答えた好評連載が現代短歌社新書に入集。勉強会のテキスト等に必携の一冊。
「辞書を引いたり、読み直したり、理解への努力はしましょう。しかしそれでもわからなければ、無理はしなくてよい。一首の難解歌のために無駄な時間を使う必要はありません。人の命には限りがあります。ソリの合わない歌とは早めに手を切ることをお勧めします。」(本書「わかるわからない」より)

  • 定価:1,980円(税込)
  • 判型:新書判ソフトカバー
  • 頁数:178頁
  • ISBN:978-4-86534-363-2
  • 初版:2021年8月24日
  • 発行:現代短歌社
  • 発売:三本木書院

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BR書評 Book Review

誠実にして率直な! 久我田鶴子

 既に刊行されている『作歌相談室』の続編。「現代短歌新聞」に寄せられた読者からの様々な相談に答える筆は、誠実にして率直である。
 新しい歌が詠みたいという相談には、そういう気持ちになったのは良いことだと励ました上で、新しい歌とはどういう歌かと問いかけ、例歌を示し、ヒントを与え、自分でよく考えるように導く。
 作品の批評については、創作は作者の自由で、それを批評するのもその人の自由なのだから、どんな批評が出てもやむを得ない。参考にするもよし、無視してもよいのだと。
 添削については、お願いした以上、添削者の意見には従うのがルールだとした上で、意見が違うようなことがあれば、そこで話し合うのが望ましいと述べる。そして、あくまでも参考意見としてだがと、添削のポイントが語られている。
 わからない歌に対する対応については、「辞書を引いたり、読み直したり、理解への努力はしましょう。しかしそれでもわからなければ、無理はしなくてよい。」と。それに続く言葉がさらに率直なのだが、そこは是非自分で読んでほしい。
 忙しくて歌が詠めないという人には、綺麗さっぱり短歌に背を向ける、思い切って歌から遠ざかるのも一案としながら、とにかく遮二無二歌を詠み続ける、「歌口」を養う、「歌口」を守ると昔の人は言ったのだと。
 文法や仮名遣い、表記の仕方などにも丁寧な答えが返ってくることも有り難いが、なによりも、なぜ歌を詠むのかという基本にいつも立ち返らせてくれる。
 初心者のためのみならず、作歌について様々な示唆を与えてくれる一冊、指導者には手引きともなる一冊である。

(現代短歌新聞2021年11月号掲載)

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