置行堀
永田和宏
人は誰しも、死者を抱えて生きている。
その死の意味を突き詰めるとき、
歌はアフォリズムのごとき静寂に充ちてゆく。
みずからを死者の眼で見つめる歌には
ユーモアとペーソスが漂う。
この世に置いてきぼりにされた者のしんとした
さびしさが立ち上がる第十五歌集。
- 妻と呼ばれてゐたころ人は明るくて竹箒はきはき使ひてゐたり
- 二人ゐて楽しい筈の人生の筈がわたしを置いて去りにき
- あなたにはなくてわたしにのみ続く死後とふ時間に水仙が咲く
- 男三人昼酒を飲む知らぬ間に死んでしまつたあの莫迦野郎
- 権力にはきつと
容易 く屈するだらう弱きわれゆゑいま発言す
- 定価:3,300円(税込)
- 判型:A5判ハードカバー
- 頁数:224頁
- ISBN:ISBN978-4-86534-375-5
- 初版:2021年11月12日
- 発行:現代短歌社
- 発売:三本木書院(gift10叢書第40篇)
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