存在
大下一真
この歌集『存在』の一首一首はまるで、この世界から与えられた様々な公案に、若き禅僧が苦悶し、全身を奮い立たせて答えを出そうとする、そんな精神の表れにも見える。(略)そうした精神の未熟を見つめながら人は移ろっていくのではないか。少なくとも僕は、この歌集の潔癖さに言いようのない愛着を感じる。(黒瀬珂瀾「解説」より)
- 夏の陽を葉に遊ばせて一樹立つこの雄々しさにいたり難しも
- 若き死も枯木朽ちゆくごとき死も見て来ぬ闇に尿を放つ
- 穢土と呼ぶこの世の冬ぞ仰ぐとき無数の切片天より下る
- 定価:880円(税込)
- 判型:文庫判ソフトカバー
- 頁数:120頁
- ISBN:978-4-86534-240-6
- 初版:2018年9月25日
- 発行:現代短歌社
- 発売:三本木書院
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